幼少より、秋田の実家で「ミネラルウォーターより断然うまい!」
と感じるほど柔らかでふくよかな地下水を飲んで育った店主。
上京して飲んだ水道水の味にショックを受け、
「ラーメン屋になるからには、どこまでも水にこだわりたい」と
浄水設備の導入を決める。
何台か種類を変えて使ってみると
「おいしい水=ラーメン作りの水ではないのか?」
との思いが芽生え始める。
入念な情報収集の末、最後の最後に辿り着いたのが、
尊敬するラーメン道の先輩も使用する浄水器だった。
「決まった!ドリルマンのBASSOには、この水しかない!」
店主は水のチカラに感謝しながら、日々麺作りに励んでいる。
素材選びの中で店主が最も苦しんだのは醤油。
オープンから2ヶ月「これだ!」と思う醤油になかなか出会えず、
売り上げの全てを醤油に注ぎ込んだ。
一時は訳がわからなくなるほど苦悩した店主は自分の原点に
立ち返ろうと実家のある秋田に久しぶりに帰省する。そこで父から、
地元に江戸時代から続く老舗の醤油蔵があることを聞かされる。
早速取り寄せて使ってみると、
今までにない感動で鳥肌が立った。これだ!…
懐かしい、ふるさとそのものの味だった。
「ルーツはここにあった」と気づいたのは、このとき。
そこには、「石孫本店 百寿」と書かれていた。
「ダシには、秋田を代表する比内地鶏を使いたい」
当初からそれを目標にしていた店主だが、
やはり比内地鶏はとても高価。
オープン当初は滋養鳥をメインに使っていた。
「外で遊ばせている分、骨もしっかりしているし、味も出ている」と、
滋養鳥である程度満足していたある日
町田で比内地鶏100%のラーメンを食べ衝撃を受ける。
店主は店に頼み込み、比内地鶏の脂を味見させてもらう。
「値段じゃない、この味だ」―
比内地鶏を使うことに、もう迷いはなかった。
店主が深く敬愛する先輩が、イベントで
期間限定ラーメンを出すというので食べに行く。
そこで、麺にいつもと違う性質の小麦粉を使ったことを
知った店主、先輩に直接疑問を投げかける。
「醤油の原材料の小麦と同じ小麦粉を使っただけさ」
至ってシンプルな言葉に店主は、
「答えは百寿にあるに違いない!」と石孫本店にすぐさま連絡を―
しばらく言葉がでなかった…
その小麦は、かつて父が
「全国普及プロジェクト」として関わっていた「ねばりごし小麦」―
不思議な運命を感じ体が震えた瞬間を、店主は今も忘れない。
「自分で納得できないものを、とても人さまに出すことはできない」
と、行列ができる店になっても臨時休業を辞さない店主。
それもこれも、ひとつひとつの食材、
そしてスープの出来に決して妥協を許さないからこそ。
基本の水に始まり、ふるさと秋田が育んだ、醤油、鶏、小麦で
“一つの大きな円”(器)に帰結する。
ドリルマンのBASSOには、不思議な縁で結ばれた食材たちが
絶妙なハーモニーを奏でながら、
お客様の満面の笑みに出会えることを待っている。














